万年筆の種類                      last up date 2005/5/13


<軸材料による万年筆の種類分け>

万年筆の軸は、素材によって、主に以下の4種類があります。



@セルロイド

セルロイドは、硝酸繊維素(セルロースに硫酸と硝酸を加えて出来たもの)に樟脳とアルコールを混ぜて作った燃えやすい半透明のプラスチックで、着色すると色が鮮やかになります。摂氏90℃で柔軟になり、冷却すると硬化する性質を持っています。
成型・切削が容易、色彩・柄が豊富だったことから、昔は殆どがセルロイドでした。しかし、6カ月以上乾燥しないと、軸の変形・ねじれ等が生じるため難しい素材です。
現在は、アンティークなイメージがうけ、再び人気を集めています。

 セルロイドの軸の制作工程

A樹木
●ブライヤー
ブライヤーは、地中海沿岸地方原産のエリカ・アルボリアというヒース科の落葉低木。パイプにも使われるため、熱に強く硬いという特徴があります。
25年〜100年を経た株の塊状のこぶ(burl:バール)を使い、万年筆を作ります。
木目の美しさに人気があり、使うほどに光沢が出て、愛蔵の1本になります。
写真はブライヤー(木の根の部分)の原木です。
この背後には材料として寝かせている(乾燥させている)棚です。

C金属
加工やデザイン工芸が容易で、メッキ塗装によりファッション性が出せるため、よく使用されます。
アルミニウム、ステンレス、真鍮が中心です。


●エボナイト
硫黄とゴムの化合物。
1852年に米国のチャールズ・グッドイヤー氏によって発明された最も古い合成樹脂のひとつ。加工が難しく、製造には高度な技術が必要ですが、手作り工芸エボナイトは、弾力性に富むため、その肌ざわりに特徴があり、愛好者が多くいます。
耐久性があり、インクの酸に侵されず長期に渡る寸法の狂いも少ないといった点から万年筆に最適な軸材といえます。もともとは漆黒ですが、経年変化で茶色になる点も味わいの一つ。
しかし老化すると割れやすくなるという欠点もあります。
紫外線には弱いので、日常は問題ありませんが、毎日長時間にわたって、蛍光灯の直下に置く、太陽光の直下に置く、ということをしますと変色しますのでご注意ください。

中屋のエボナイト万年筆は、表面に漆を塗って保護していますので、すぐに変色するようなことはありませんが、一般にエボナイトの万年筆は、表面に何らかのコーティングを施していない無垢の状態の場合、永年持っているところが同じ場所ですと、汗などでそこが変色していきます。(エボ焼けと称しています)
これをむしろ、ご自分のペンとの長い付き合いの証拠と好まれる方もいらっしゃいます。
なお、このエボ焼けについては羽布掛けをすることで解消できると言われています。

 エボナイトの軸の制作工程

頸肩腕(けいけいわん)症候群のことなど

尚、最近中屋の万年筆について、頸肩腕(けいけいわん)症候群、腱鞘炎、或いは書
痙(しょけい)等筆記することに関連したご質問を多く頂きます。私共は医療関係者ではないので、しっかりとしたお話をする立場にありません。ただ上記の様にエボナイトは比重が小さく中屋のペン軸が大きめであっても軽くお感じになると思います。
小さく細いペン軸をつまむようにして筆記を続けるのではなく、大きく太い軸を手の全体で包むように持つ方が、
第一関節や特定の部位に負担がかからないことは言えるのではないでしょうか。

  ・  頸肩腕(けいけいわん)症候群
 首から肩、腕や背中にまで及ぶ筋肉の痛みやしびれが症状。

 以前はキーパンチャー病、現在ではパソコン症候群とも言われ手先を使った単純作業の繰り  
 返しがその原因。
単純作業の繰り返しによる筋肉の酷使により疲労が特定の部位に溜まる。


書痙(しょけい)

 字を書こうとすると手が震えてしまう症状。

 字を書く時だけにおこり他の動作は問題なくできることが多い。30-50歳代での発病か多い。

 長い間神経症のひとつと考えられてきましたが、最近の医学ではジストニアという脳障害に 
 よって筋肉が緊張したりする不随意運動のひとつであると位置づけられています。

  原因は不明確ですが作家・ビアニスト・タイピストなど体の一部を反復して長い間使う場合 
 に傾向が大きい。






●ワイン樽
ワイナリーで永年熟成用の樽として使っていた材料(オーク材(樫))を切出して成型したもの。
木目をどうとるか(縦か横か)でさまざまな柄が出ます。天然素材なので同じ柄はありません。
またコートするため上に漆がけをしますが、その回数や量により、木目の見え具合や表面の凹凸度合いが変わってきます。

B合成樹脂
耐酸性・堅牢性・美麗性・加工性に富む、as樹脂、abs樹脂、アクリル樹脂のものがあります。

●アクリル
アクリルの特長は、ガラスを凌ぐ透光性、かつ水晶のような硬質な透明感、重厚な質感からプラスチックの女王と呼ばれています。又軽くて割れ難く(比重はガラスの2分の1・強さはガラスの15倍)優れた耐候性をかねそなえています。

●キャンバスマイカルタ
『キャンバスマイカルタ』という素材は、フェノール樹脂に2cm厚当り40枚程度のキャンバス生地をはさんだ物で、アメリカの素材メーカーがGUN(拳銃)のグリップ用に 滑らない素材として開発したものです。現在は登山用ナイフ等にも使用されています。

C金属
加工やデザイン工芸が容易で、メッキ塗装によりファッション性が出せるため、よく使用されます。
アルミニウム、ステンレス、真鍮が中心です。





●日本の芸術「本漆研き出し蒔絵」

●クラシックタイプ「ブライヤー」

●エボナイト

●セルロイド

●アルミボディ

●ステンレス



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