『牡丹唐草』の謂れ

「牡丹唐草」は、昔から伝わる文様の一つです。

文様とは、建築、家具、紋章、染織、漆器等多岐の分野にわたり使われる模様・デザインのことです。文様に関する事典などが多数発行されています。
今日の日本で古典的な文様と言われるものは、中国から伝えられたものが多く、さらに元をたどるとシルクロードの国々のものに及びますが、長い間日本人が多用してきたことから、今日では日本の文様となっています。

「唐草文」は、中国から伝わったもので、植物の茎や蔓を文様としたものの総称で、 蔓だけではなく、花・葉・実などをつけています。またモチーフも特定のものではなく、色々な植物が取り上げられており、その花の種類によって呼び方を牡丹唐草・菊唐草などと区別しています。蔓はどんどん伸びて成長することから長寿、延命の象徴とされていたので、縁起のいいデザインなのです。

「牡丹」は、2000年前から栽培されていた歴史ある花です。
隋唐時代の中国では、その容姿の美しさから富貴花、また古都洛陽が牡丹の栽培で知られたことから洛陽花とも呼ばれましたが、花と言えば「牡丹」を指したほど愛されていました。則天武后の頃に牡丹と呼ばれる様になりました。その後李白が玄宗の命により楊貴妃の美しさを牡丹に例えて一文にしたという話も伝わっています。
隋唐時代から文様に多用され、幸福 富貴などを象徴しました。同時に西アジアから伝わった唐草文様を取り入れた「牡丹唐草文様」も作られました。

日本には平安時代、遣唐使によって伝えられました。そして日本においても 『立てば芍薬、座れば牡丹…』と例えられる等、牡丹は美人の例えに用いられており、その文様は、鎌倉時代、室町時代には多くの図柄が描かれました。美しさもさることながら、御守護としてのエネルギーがあると言われ、甲冑にも描かれています。

技法

金地に牡丹唐草を研ぎ出しました。非常に根気のいる、細かい繊細な仕事です。

−皆研出蒔絵(かいとぎだしまきえ)−
 絵を漆で描いた上に金粉を蒔き、乾燥後に透漆(すきうるし)を塗り、硬化したら木炭で文様を研ぎ出す。
 その後、摺漆(すりうるし)を施し呂色をかける。


工程説明

1:研立て
  漆塗面を平滑に研ぐ。
  (この時、研ぎ面に少しでも凸凹があると研ぎ出しを施したときにムラが出来る。
  平らな箇所は簡単だが局面Rが強くなればなるほど研ぎは難しくなる。)
2:置目(おきめ)
  薄い和紙に不乾性の焼漆で文様を描き、その紙を漆面にあてて転写する。
3:地描き
  黒漆で文様を描く。
4:粉蒔き
  漆面全体に漆を塗り、金粉を蒔き付ける。
5:粉固め
  粉蒔きの硬化後に漆を全体に薄く塗って金粉を固着させる。
6:塗り込み
  全体に透漆を塗る。
7:研ぎ
  金粉の半分まで全体を研ぎ出す。
  丸粉(球形をしている)という種類の金粉を使用。
  その球を、赤道線まで研ぐと、金の色が一番強く美しくなる。
  (研ぎきれなくても、研ぎすぎてもいけないので、ここが蒔絵師の腕の見せ所である。)
  非常に小さな粉の半分を研ぎ出す必要があるため、始めの研立てと漆の塗り込みが
  凸凹のない平滑な面に仕上がっていないと不可能な技でもある。
  研ぎは、木炭を使用。万年筆の場合、平らな箇所がなく、全て曲面で、しかも細いため、
  一層神経を使う作業である。
8:呂色
  全体に摺漆を施し、硬化後手のひらや指の腹でこすって磨きをかける。
  これを3回繰り返す。


 銘の部分を中心としたアップ

 銘の「大雅」の後には、シリアル番号を「壱」と入れています。




 キャップの内側にも梨地が施してあります。

- 梨地 -

梨地は、地蒔の一種で、梨地粉(平目粉を圧延して,さらに薄く細かくしたもの)を漆面に蒔き、乾燥後,梨地漆(純度の高い透明な透漆)を塗って、粉が露出しない程度に研ぎ出したものです。透明な漆の膜を通して粉が見え、それが梨の肌に似ているところからこう呼ばれています。


 末端をつけかえることによって、ご自分で、長さ・重さ・重心を
 変えることができます。
 末端の部品は、ネジで着脱します。


価格  315,000円


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