『川蝉(かわせみ)』の謂れ

−葦原の向こうに陽の光が水面に映え、きらきら輝いている。あまりの美しさに立ち止まるとそこへ一羽のかわせみが、小魚を狩りに音もなく飛んできた。−
その一瞬を万年筆に高蒔絵等の技法で優雅に格調高く描きました。

技法

金平目(金粉の粗いもの)と金粉、微塵貝で地蒔き。鳥や葦は金粉と色漆で描き上げました。

金地・微塵貝(みじんがい)地 付け描き・漆絵(色漆を使い文様を描く)


工程説明

1:研ぎ立て
  漆塗面を平滑に研ぐ。
  (この時、研ぎ面に少しでも凸凹があると研ぎ出しを施したときにムラが出来てしまう。
   平らな箇所は簡単だが局面Rが強くなればなるほど研ぎは難しい。)
2:地塗り
  漆を全体に同じ厚みで塗る。
3:粉蒔き
  金粉と微塵貝を蒔きつける。
4:粉固め
  粉蒔きの硬化後に漆を全体に薄く塗って、粉と貝を固着させる。
5:塗り込み
  全体に漆を塗り込む。
  (貝と金粉では粗さが違い、段差が生じやすいので、この後の研ぎも含めて非常に難しい部分である。)
6:研ぎ
  金粉はその粉の半分まで研ぐ。
  貝は金粉より粗いため、先に頭がでてくるが、金粉の半分研ぎまできれいに貝を研ぎ削る必要がある。
  (素材の大きさ・硬さが異なるこのような場合は、研ぎが大変難しいが、
   加えて万年筆は曲面であるため難度がさらに高くなる。)
7:付け描き・漆絵(川蝉・葦について)
  金粉を蒔く部分については粘い漆で描き金粉を蒔き、硬化後色漆を塗り込み金粉を研ぎ出す。
  その後上絵を描き、金粉を蒔き粉固めをする。
  漆絵部分は黒漆でかげとなるように描く。
  これら二つの技法を繰り返し重ねて仕上げる。
8:呂色
  全体に摺漆を施し、硬化後手のひら・指の腹でこすって磨きをかける。
  この工程を3回繰り返す。







 銘の部分を中心としたアップ

 銘の後には、シリアル番号を「壱」と入れています。




 川蝉の部分のアップです。
 羽の部分まで細かく描きこみました。
キャップの内側にも金平目を蒔き込んだ金地を施しました。


価格  472,500円

お客さまからのスケッチで製作させて頂きました川蝉もあります。こちらをご覧下さい。


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