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『菊づくし』の謂れ
中屋が蒔絵で最初に取り上げるモチーフは、『菊』と考えておりました。
周知の如く、菊は私達日本人に最も親しまれている花の一つです。その花弁は放射線上に整っていることから
古来より太陽になぞらえられ、天皇家の御定紋でもあり、百花中の最上位にランクされています。
菊は、「不老不死」・「延命長寿」・「無病息災」・「邪気払い」という意味を持つと言われます。
中国より伝来したとされ、漢の時代からも最も好まれた花でもあり、不老不死・延命長寿の漢方薬にもなりました。その流れを受け継いで日本に於いても重陽の節句に菊を眺め、菊酒を飲む習慣が残っています。
技法
青粉(金に銀を混ぜた粉)で地蒔きし、様々な種類−粗さ(つぶの大きさ)と形−の「金粉」を用いて、
5種類の菊の花を、描き割り(文様と文様の境界線といった細い線を表すのに、その部分だけ残して地描きし粉を蒔いて溝を作る技法)・付け描き・高蒔絵・粗粉研出蒔絵等の技法で優雅に格調高く描きました。菊は研ぎ出しです。
このように様々な金を用いることによって立体感が出ています。
工程説明
1:研立て
漆塗面を平滑に研ぐ。
(この時、研ぎ面に少しでも凸凹があると研ぎ出しを施したときにムラが出来る。
平らな箇所は簡単だが局面Rが強くなればなるほど研ぎは難しくなる。)
2:地塗り
漆を全体に同じ厚みで塗る。
3:粉蒔き
青粉を全体に淡く均一に蒔く。
4:地固め
粉蒔きの硬化後に漆を全体に薄く塗って粉を固着させる。
5:割込み
全体に厚く漆を塗り込む
6:研ぎ
金粉はその粉の半分まで研ぐ。
7:付け描き
粘い漆で菊を描き、金粉を蒔き、硬化後漆を塗り、研ぎ磨く。
様々な形と粗さの粉を使い、菊を表現する。花弁と花弁の間を描き割り技法でくっきり・
生き生きと描き上げている。
8:粗粉研出蒔絵(あらふんとぎだしまきえ)
漆で絵を描き粗い金粉を蒔き、漆で塗り込み研ぎ出す。
付け描き以外の菊はこの技法で表現する。
描き割り技法を使用しているため文様がくっきりする。
9:呂色
全体に摺漆を施し、硬化後手のひら・指の腹でこすって磨きをかける。
この工程を3回繰り返す。


銘の部分を中心としたアップ
銘の「雄斎」−高柳 雄斎(たかやなぎ ゆうさい)−の後には、シリアル番号を「壱」と入れています。

価格 472,500円
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