『槙蒔絵』の謂れ

槙は、真木とも書き、広くは常緑の杉や桧(ひのき)の総称です。冬、雪をかぶっても緑を保ち、春には一気に若芽を出す点が、堪え忍び、ここぞと言うときに力を発揮するという日本人の美徳に通じることから、古来より愛され続けている文様です。

技法

金粉と微塵貝(みじんがい)で地蒔きし、槙は金粉と色漆で 動きを意識して表現しています。

金地・微塵貝(みじんがい)地 付け描き・漆絵(色漆を使い文様を描く)


工程説明

1:研ぎ立て
  漆塗面を平滑に研ぐ。
  (この時、研ぎ面に少しでも凸凹があると研ぎ出しを施したときにムラが出来てしまう。
   平らな箇所は簡単だが局面Rが強くなればなるほど研ぎは難しい。)
2:地塗り
  漆を全体に同じ厚みで塗る。
3:粉蒔き
  金粉と微塵貝を蒔きつける。
4:粉固め
  粉蒔きの硬化後に漆を全体に薄く塗って、粉と貝を固着させる。
5:塗り込み
  全体に漆を塗り込む。
  (貝と金粉では粗さが違い、段差が生じやすいので、この後の研ぎも含めて非常に難しい部分である。)
6:研ぎ
  金粉はその粉の半分まで研ぐ。
  貝は金粉より粗いため、先に頭がでてくるが、金粉の半分研ぎまできれいに貝を研ぎ削る必要がある。
  (素材の大きさ・硬さが異なるこのような場合は、研ぎが大変難しいが、
   加えて万年筆は曲面であるため難度がさらに高くなる。)
7:付け描き・漆絵
  金粉を蒔く部分については粘い漆で描いて金粉を蒔き、硬化後、色漆を塗り込み金粉を研ぎ出す。
  その後、上絵を描き、金粉を蒔き、粉固めをする。
  漆絵部分は黒漆・白漆・青漆を使い絵柄を描く。
  (漆絵は、厚く付けすぎるた場合は、表面と付着部分に硬化の時間差が生じ、生乾き状態を起こし、
   薄い場合は、立体感が出ないので、厚さが難しい技術である。)   これら二つの技法を繰り返し重ねて仕上げる。
8:呂色
  全体に摺漆を施し、硬化後手のひら・指の腹でこすって磨きをかける。
  この工程を3回繰り返す。





 銘の部分を中心としたアップ

銘の「大雅」の後には、シリアル番号を「壱」と入れています。
(壱は、既に販売いたしましたので、現在ご購入いただけますのは、弐以降の番号となります。)


キャップの内側に梨地が施してあります。

- 梨地 -
梨地は、地蒔の一種で、梨地粉(平目粉を圧延して,さらに薄く細かくしたもの)を漆面に蒔き、乾燥後,梨地漆(純度の高い透明な透漆)を塗って、粉が露出しない程度に研ぎ出したものです。透明な漆の膜を通して粉が見え、それが梨の肌に似ているところからこう呼ばれています。

価格  472,500円


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