
『南天唐草』の謂れ
梅雨の頃に白い花を咲かせ、秋にかわいらしい真っ赤な(または白い)実をつける南天。
実は喘息や百日咳等の薬に用いられたり、解毒作用があるため腹痛薬に使われたり、葉は青酸配糖体が含まれ殺菌作用があるため生魚の下に敷くなど、南天には様々な効用があります。
そして「難転」に通じるところから、災い除け、魔除けの為に 玄関や手洗い、鬼門にあたる場所に植えられる事が多い庭木で、縁起の良い吉祥文様として好まれ多用されています。
技法
プラチナ地の上にプラチナ粉と色漆で南天を唐草風に全体に配しました。
−プラチナ地(プラチナじ)−
地蒔きの一種で、プラチナ粉を全体に蒔きつけたもの。他に金地・銀地等がある。
−付け描き(つけがき)−
蒔絵技法のひとつで、粘性の強い漆で絵を描き、その上に粉を蒔きつけたもの。
工程説明
1:研立て
漆塗面を平滑に研ぐ。
(この時、研ぎ面に少しでも凸凹があると研ぎ出しを施したときにムラが出来る。
平らな箇所は簡単だが局面Rが強くなればなるほど研ぎは難しくなる。)
2:粉蒔き
漆面全体に漆を塗り、プラチナ粉を蒔き付ける。
3:粉固め
粉槙の硬化後に、漆を全体に塗って粉を固着させる。
4:胴擦り(どうずり)
砥の粉(とのこ)植物油を混合したものを布に付け磨く。
付け描きの漆のくっつきをよくする。
5:地描き
粘性の強い漆で唐草を描く。
6:粉蒔き
地描きした漆の上にプラチナ粉を蒔く。
7:塗り込み
地描きをした絵の部分に色漆を塗り込む。
8:研ぎ出し
色漆を塗り込んだ部分の硬化後、粉を少し研ぎ出す。
9:摺漆(すりうるし)
全体に摺漆を施す。
10:磨き
摺漆の硬化後、手のひらや指の腹でこすり、磨きをかける。


銘の部分を中心としたアップ
銘の後には、シリアル番号を「壱」と入れています。
キャップの内側にも蒔絵で南天を描いています。

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